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Column | 低圧系統用蓄電池

高圧と低圧の系統用蓄電池はどう違う?
― メリット・注意点・低圧の始め方

2026.06.22 ・ 低圧系統用蓄電池

※ 連系区分の条件や規模のしきい値、費用の水準は、制度改定や時期によって変わります。最新の情報は、電力会社・資源エネルギー庁の公表資料をご確認ください。

系統用蓄電池には、系統へのつなぎ方によって「高圧」と「低圧」があります。土地のご相談を受けるなかで、「うちは狭いから無理だろう」と最初からあきらめてしまう方を何度も見てきました。実際には、低圧という選択肢があるおかげで、小さな土地でも検討できる場合があります。この記事では、両者の違いを図解で押さえ、低圧のメリットと注意点、そして始め方までを整理します。

高圧と低圧は何が違うのか

ざっくり言えば、高圧は「大きく作る」、低圧は「小さく作る」やり方です。系統へのつなぎ方(連系の区分)が違い、それに応じて必要な土地の広さ、設備の規模、開発の手間とスピードが変わります。1基あたりの規模が小さい低圧は、その分だけ身軽です。

大規模1基 高圧 広い土地 + まとまった投資 低圧 小さな土地に分散して積み上げ
図1:高圧は広い土地に大規模1基、低圧は小さな土地に複数を分散。同じ「系統用蓄電池」でも作り方が変わる(イメージ図)。
 高圧(大規模)低圧(小規模)
必要な土地広い敷地が必要小さな土地でも検討可
1基の規模・収益大きい小さい(台数で積む)
初期投資まとまって大きい1基ずつなら抑えやすい
開発・連系の手間重め・時間がかかりやすい比較的軽め・始めやすい
向いている進め方1か所に集中地域に分散して展開

※ 連系区分の具体的な条件や規模のしきい値は制度・時期で変わります。ここでは考え方の違いをつかんでください。

低圧の蓄電池。駐車場2台分ほどのスペースから検討できる場合があります
低圧の蓄電池。駐車場2台分ほどのスペースから検討できる場合があります

低圧のメリット

低圧の良さは、なんといっても入口の軽さです。広い土地を一気に押さえる必要がないため、これまで活用しづらかった小さな土地が候補になります。私たちが「狭いから無理」と決めつけないのは、この選択肢があるからです。

  • 相続したが使い道のない小さな土地を活かせる可能性がある
  • 1基ずつ進められるため、最初の一歩を踏み出しやすい
  • 地域に分散して置くことで、1か所のリスクに偏りにくい

分散して複数を持てる点は、投資家・法人の方にとっても魅力になります。1か所に集中させるのではなく、ポートフォリオとして組み立てる発想です。一度に大きな資金を投じるのではなく、1基ずつ手応えを確かめながら投資の規模を調整できるのも、段階を踏みたい方には扱いやすいところだと感じています。

低圧の注意点

身軽な反面、気をつける点もあります。いちばんは、1基あたりの規模が小さいぶん、得られる収益も小さいことです。まとまった規模をねらうなら、台数を積み上げる前提になります。台数が増えれば、用地の確保や運用・保守の手間もその数だけ増えていきます。

また、小さくても系統につなぐ以上、低圧で連系するための条件を満たす必要があります。近くに電柱・配電線があり、その地点で受け入れが可能かどうか、電力会社との協議で確かめます。規模が小さいからといって、どこでも置けるわけではありません。系統側の事情や近隣との関係でつまずくことはあり、そこは高圧と同じように一つずつ確かめます。確認した結果、難しいとお伝えすることもあります。

低圧は「小さく始めて、合うところに広げていく」進め方に向いています。まず1か所で形にして、手応えを見ながら台数を増やす、という選択ができます。

どちらが向くか|判断の軸

高圧と低圧は、どちらが優れているという話ではありません。何を優先するかで答えが変わります。判断の軸は次の3つです。

優先したいこと向きやすいのは
広い土地を一気に活かす高圧(大規模1基)
小さな土地を無駄なく使う低圧(小規模・分散)
まず小さく始めて広げる低圧(1基から積み上げ)

広い土地とまとまった資金があり、一気に規模を取りにいけるなら高圧が選択肢になります。手元の土地が小さい、あるいは段階的に進めたいなら、低圧のほうが現実的です。土地の状態・資金・スピードのどれを大事にするかを、最初にすり合わせます。

低圧で始めるステップ

低圧で進める場合も、確認の順番は系統用蓄電池の基本と変わりません。小さく身軽なぶん、最初の確認を素早く回せるのが利点です。

  • 1. ご連絡/所在地・だいたいの面積・現況を教えてください。
  • 2. 机上の確認/地図や公図で、電柱・配電線との位置関係をまず見ます。
  • 3. 現地・系統の確認/接道・搬入・近隣・ハザードと、低圧で連系できそうかを確かめます。
  • 4. ご提案/使えそうか・難しいか、使えるなら条件をお伝えします。

低圧そのものの基本は低圧系統用蓄電池とは|小さな土地でも検討できる理由で、事業としての進め方は低圧系統用蓄電池のページでくわしく解説しています。系統用蓄電池の全体像は系統用蓄電池とはをご覧ください。

よくある質問

低圧の系統用蓄電池は本当に小さな土地でもできますか?
条件が合えば可能です。低圧は1基あたりの規模が小さく、必要な敷地も小さく済むため、これまで使い道がないとされてきた小さな土地でも検討できる場合があります。まず電柱・配電線との位置関係から確認します。
高圧と低圧、どちらが得ですか?
一概には言えません。広い土地と資金があり大きく作れるなら高圧、小さな土地を活かしたい・分散して始めたいなら低圧、という具合に、土地・資金・スピードのどれを優先するかで変わります。
低圧は1基だけだと収益が小さいのでは?
そのとおりで、1基あたりの規模は小さめです。まとまった規模をねらう場合は、複数を地域に分散して積み上げる考え方になります。台数を増やすぶん、運用・保守の手間も増える点は織り込んでおきます。

分散展開で規模をつくる

低圧は1基が小さいぶん、まとまった規模をねらうなら台数を積み上げます。やみくもに増やすのではなく、1か所目で段取りや確認の勘所をつかみ、条件の合うエリアへ2か所目・3か所目と広げていく進め方が現実的です。最初の1基は、いわば横展開の型をつくる場でもあります。

分散して持つほど、1か所の事情(その地点の系統の混み具合や近隣の状況)に全体が引きずられにくくなります。これは投資家・法人の方にとって、リスクを一点に集めない組み立て方として意味を持ちます。一方で、用地の確保・連系協議・保守は台数のぶんだけ増えていきます。だからこそ、横展開の段取りをどれだけ効率よく回せるかが、低圧で規模をつくるときの勘所になります。私たちが複数案件を並行して見るときも、確認の順番を決めて型どおりに回すことを大切にしています。

まとめ

高圧は「広い土地に大きく1基」、低圧は「小さな土地に分散して積み上げ」。どちらが上ということではなく、土地・資金・スピードのどれを優先するかで選びます。低圧は入口が軽く、これまで活用しづらかった小さな土地を活かせる可能性があります。「狭いから無理だろう」と決める前に、所在地と面積だけでも確認できます。気になる土地があれば、お気軽にご相談ください。

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