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Column | 営農型太陽光

耕作をやめた農地はどうなるのか ― 放置した場合と、3つの選択肢

2026.07.10(更新 2026.08.24) ・ 営農型太陽光

「耕作をやめたので、もう農地ではない」と考えている方がいます。法律上は農地のままです。そして放置している間も、手続きは進みます。まず何が起きるのかを確認してから、選択肢を見ます。

耕作をやめても農地です

農地法第2条は、農地を「耕作の目的に供される土地」と定めています。しばらく作っていないだけの土地は、この定義から外れません。年数の基準もありません。

つまり、いきなり建物を建てたり設備を置いたりすることはできません。地目の判断や手続きの考え方は雑種地・遊休地・農地の活用にまとめています。

放置していると、こう進みます

農地法の第4章は「遊休農地に関する措置」です。順に見ます。

放置した農地に対して進むこと 第30条 利用状況調査 農業委員会が毎年一回、区域内の農地の利用状況を調査する(義務) 第32条 利用意向調査 ・現に耕作されておらず、引き続き耕作されないと見込まれる農地 ・利用の程度が周辺に比べ著しく劣ると認められる農地 第36条 協議すべきことの勧告 耕作する意思を示しても6か月動きがない/意思表明が6か月ない 等 → 農地中間管理機構と協議すべきことを勧告(正当の事由があるときを除く) 毎年 該当すれば 6か月
農地法第4章が定める遊休農地への措置。調査は毎年行われ、条件に当てはまれば手続きが進みます。

条文を引きます。

第30条 農業委員会は、農林水産省令で定めるところにより、毎年一回、その区域内にある農地の利用の状況についての調査を行わなければならない

第32条 農業委員会は、利用状況調査の結果、次の各号のいずれかに該当する農地があるときは……利用意向調査を行うものとする  一 現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地  二 その農業上の利用の程度がその周辺の地域における農地の利用の程度に比し著しく劣つていると認められる農地

さらに第36条は、意向を示したあとの期限を定めています。耕作する意思を表明しても6か月経って利用の増進が図られないとき、権利の設定・移転を行う意思を示しても6か月経って行われないとき、あるいは意思の表明自体が6か月ない場合などに、農地中間管理機構と協議すべきことが勧告されます。

放置は選択肢ではなく、期限のある状態だということです。

なお第31条により、周辺で農業を営む方や農地中間管理機構から、農業委員会に対して措置を求める申出ができます。近隣から声が上がることもあります。

選べる道は3つです

内容 向いている場合
① 営農型太陽光 農地のまま一時転用し、作物を育てながら上で発電 耕作の担い手を確保できる
② 転用 農地以外にして設備を置く 農地区分が転用可能な区分にあたる
③ 貸す 農地のまま、耕作する人に貸す 近隣に借り手がいる

① 営農型は「戻せること」が要件です

農地法第4条第6項第6号は、一時的な利用について定めています。

六 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため農地を農地以外のものにしようとする場合において、その利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されることが確実と認められないとき

不許可になる条件として書かれていますが、裏を返せば耕作へ戻ることが確実と認められれば許可され得るということです。だから営農の継続が問われます。

営農型のルールは2027年4月に入れ替わる予定です。設備・作物・単収の各基準は営農型太陽光の新ルールに、報告や是正については営農型太陽光の是正にまとめています。

② 転用は農地区分で決まります

農用地区域内の農地、あるいは集団的に存在する良好な営農条件を備えた農地は、原則として転用できません。それ以外の農地でも、周辺の他の土地で目的を達成できると認められれば許可されません

自分の農地がどの区分にあたるかは、市町村の農業委員会で確認できます。ここが分からないまま計画を立てても、見通しは立ちません。

③ 貸すという道もあります

農地のまま耕作する人に貸せば、農地として維持されます。第36条の勧告も、農地中間管理機構との協議を求めるものです。制度としては、まず農地として使い続ける方向が想定されています。

でんちくん

「草刈りだけが続いていて、どうしたらいいか分からない」というご相談が一番多いです。まず農業委員会で農地区分を確認してください。そこが分かると、選べる道が2つに絞れます。調べ方が分からなければ、こちらでお手伝いします。

でんちくん/用地担当より
山梨県内の営農型太陽光。耕作が難しくなった農地を、営農を続けながら活用した例
山梨県内の営農型太陽光。耕作が難しくなった農地を、営農を続けながら活用した例

選ぶときに見る2点

担い手がいるか。営農型は作物を育て続けることが前提です。自分で続けられないなら、耕作してくれる人を確保できるかどうかが分かれ目になります。

報告の手間を負えるか。営農型は営農状況の報告が伴います。転用してしまえばその義務はありませんが、農地には戻せません。

どちらが良いという話ではなく、続けられる形を選ぶことが結果的に安全です。

よくある質問

何年放置すると農地でなくなりますか。 年数の基準はありません。耕作の目的に供される土地かどうかで判断されます。放置しても農地のままです。

利用意向調査が来たらどうすればよいですか。 意向を示さないまま6か月が過ぎると、農地中間管理機構との協議が勧告される対象になります。方針が決まっていなくても、まず農業委員会に相談してください。

山林化してしまった農地はどうなりますか。 現況で判断されるため、農地でないと扱われる場合があります。ただし判断は農業委員会です。

太陽光にすれば固定資産税は変わりますか。 転用して地目が変われば評価は変わり得ます。金額は自治体と土地の条件によるため、市町村の税務担当にご確認ください。

ご相談の前に

所在地、おおよその面積、いまの状態(草刈りだけ続けている、山林化している等)。この3つがわかれば、どの道がありそうかをお伝えできます。農地区分の確認からお手伝いできます。

土地の活用としてのご相談は土地所有者の方へ、営農を続ける形は営農型太陽光をご覧ください。

この記事の参照元

  • 農地法(昭和27年法律第229号)第2条、第4条第6項、第4章 遊休農地に関する措置(第30条 利用状況調査/第31条 農業委員会に対する申出/第32条 利用意向調査/第36条 農地中間管理権の取得に関する協議の勧告)

引用は条文の現在の規定によります。個別の農地の区分や手続きの見通しについては、所在地の農業委員会にご確認ください。

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