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Column | 営農型太陽光

営農型太陽光の是正 ― 許可条件に違反すると何が起きるか

2026.08.01(更新 2026.08.24) ・ 営農型太陽光

営農型太陽光は、農地を農地のまま使う一時転用の許可で成り立っています。許可には条件が付いており、条件を外れると制度上の手当てが用意されています。何が定められているのかを条文で確認したうえで、立て直しの進め方を整理します。

許可には条件が付きます

農地法第4条第7項です。

第一項の許可は、申請に係る農地を農地以外のものにする行為が完了するまでの間において当該行為の実施状況について農業委員会を経由して都道府県知事等に報告することその他の必要な条件を付けてしなければならない

条件を付けることは任意ではなく、「付けてしなければならない」と書かれています。報告は、営農型を続けるうえで避けられない手続きです。

そもそも一時転用が認められる根拠も、第4条第6項第6号にあります。

六 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため農地を農地以外のものにしようとする場合において、その利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されることが確実と認められないとき

不許可となる場合として書かれていますが、裏返せば耕作へ戻ることが確実と認められることが前提だということです。営農の実態が失われれば、この前提が崩れます。

条件に違反すると、どうなるか

農地法第51条(違反転用に対する処分)が定めています。

農地法 第51条 が定める段階 第1項 都道府県知事等が命じられること 許可の取消し / 条件の変更・追加 / 工事その他の行為の停止 期限を定めた原状回復その他の是正措置 「特に必要があると 認めるとき」に限る 第3項 命令に従わないとき その旨と土地の地番等を公表することができる 第4項 それでも講じられないとき 行政が自ら措置を講じ、要した費用を徴収する 対象には「許可に付した条件に違反している者」が明記されています(第1項第2号)。
農地法第51条の構造。命令に従わない場合の公表と、行政が自ら措置して費用を徴収する規定まで定められています。

条文はこう書いています。

都道府県知事等は……第4条若しくは第5条の規定によつてした許可を取り消し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて原状回復その他違反を是正するため必要な措置……を講ずべきことを命ずることができる

対象者として列挙されているのは次の方々です。

対象
第4条第1項・第5条第1項の規定に違反した者、又はその一般承継人
許可に付した条件に違反している者
前2号の者から工事等を請け負った者、その下請人
偽りその他不正の手段により許可を受けた者

営農型で問題になりやすいのは第2号です。報告が出せていない、営農の実態が確認できないといった状態は、ここに当たり得ます。

第3項は、命令に従わなかった場合にその旨と土地の地番等を公表することができると定めています。第4項は、行政が自ら原状回復等の措置を講じ、要した費用を徴収する場合の手続きです。

なお第64条は、第51条第1項の命令に違反した者を3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金としています。第67条により、法人の従業者等が違反行為をした場合、法人には1億円以下の罰金刑が科される規定もあります。

はかせ

条文をよく見ると、いきなり取消しではない。条件の変更や追加も同じ第1項に並んでおる。つまり立て直せる形にして続ける道も、制度の中にあるということじゃ。動かずにいると段階が進むだけでな。早く相談したほうが、選べる手が多い。

はかせ/制度解説

是正が必要になりやすい状態

現場で多いのは、次のような状態です。

営農の実態が確認できない。下部で作物が作られていない、あるいは管理が行き届かず収穫に至っていない。

報告が出せていない。年次の報告が遅れている、提出できていない。第4条第7項の条件に直結します。

設計と営農が合っていない。遮光率や架台の高さが作物や農作業に合わず、結果として営農が続かない。

担い手が変わった。耕作していた方が続けられなくなり、引き継ぎができていない。

いずれも発電設備そのものの問題ではありません。営農の側が続かなくなることで、許可の前提が崩れます。

是正前。営農の実態が確認できない状態になっていた徳島県内の設備
是正前。営農の実態が確認できない状態になっていた徳島県内の設備
是正後。作付けを立て直し、営農と発電が両立する形に戻しました
是正後。作付けを立て直し、営農と発電が両立する形に戻しました

立て直しの進め方

順番があります。

① 現況と書類を突き合わせる。許可書に付された条件、これまでの報告、いまの作付け状況を並べます。何が条件から外れているのかを特定しないと、打つ手が決まりません。

② 作付けを組み直す。下部の日射条件で育つ作物か、農作業の動線がとれるか、続けられる担い手がいるか。ここが実質的な中身です。

③ 農業委員会と調整する。現況と立て直しの計画を示して相談します。動いていることが伝わるかどうかで、その後が変わります。

④ 報告の体制をつくる。同じことを繰り返さないために、誰がいつ何を記録するかを決めます。

2027年4月に営農型のルールが入れ替わる予定です。新しい基準を前提に組み直せるかも、この段階で確認してください。詳しくは営農型太陽光の新ルールをご覧ください。

よくある質問

報告が1年出せていないだけでも問題になりますか。 報告は許可に付された条件です。まず農業委員会に状況を伝えてください。放置するほど段階が進みます。

設備を止めなければいけませんか。 第51条第1項には行為の停止命令も含まれますが、条件の変更や追加も同じ項に並んでいます。立て直しの計画があるかどうかで対応は変わります。

土地を貸しているだけの地主にも責任がありますか。 許可を受けた者と、条件に違反している者が対象です。契約上どちらが何を担うのかを、早めに確認しておいてください。

収量が基準に届かない年があったら即取消しですか。 第51条は「特に必要があると認めるとき」に「その必要の限度において」と定めています。一度の未達で直ちに取消しと決まっているわけではありませんが、状態が続けば対象になり得ます。

ご相談の前に

許可書の写し、直近の報告、いまの作付け状況。この3つがあれば、どこが条件から外れているかを整理できます。私たちは徳島県内などで、営農を立て直して発電と両立させた実績があります。

営農型の是正・立て直しは営農型太陽光の是正、新規のご相談は営農型太陽光をご覧ください。

この記事の参照元

  • 農地法(昭和27年法律第229号)第4条第6項第6号・第7項、第51条(違反転用に対する処分)、第64条、第67条 — 一時転用の要件、許可に付す条件、処分の内容、公表、費用徴収、罰則

引用は条文の現在の規定によります。個別の案件の扱いについては、所在地の農業委員会および都道府県の担当窓口にご確認ください。

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